主砲がお目覚めした。オリックス吉田正尚外野手(25)が2戦連発の4号2ランに、プロ初の二塁打3本の4安打3打点と完全復活を果たした。

今季チーム最多13安打での大勝を演出した。今季初のお立ち台では「半泣きぐらいになっていた。今日は打ててよかったです」と満面の笑みを見せた。

口火を切った。初回、1死一塁から上原の真ん中低めのスライダーを体勢を崩されながら捉えた。「タイミングは外されていましたが、うまくヘッドに乗せて拾うことができた」。打球は弾丸ライナーで右翼席に突き刺さる本拠地第1号。3回1死一、二塁からは上原の初球、低めの変化球をたたき右中間フェンス直撃の適時二塁打。第3、4打席は右に左に二塁打を打ち分けた。

開幕から打撃不振が続き、打率は一時0割5分まで沈んだ。「チームにも迷惑をかけていましたし、情けなかった」。打撃コーチに助言を求め、データや昨季の映像と見比べるなどの試行錯誤。バットの入射角を少し下げるなど微調整で調子を上げてきた。「凡打の内容も良くなってきた。下を向かずにやれることをしっかりやってきました」と昨オフから取り組むセンター方向へスピンをかけて飛ばす意識をぶらさず、黙々とバットを振り込んだ。

打率も一気に2割6分3厘まで上昇。「打てない時間が長かった。いいときが多ければいいと思うので、頑張ります」。さあ、逆襲だ。【古財稜明】