“満塁男”の一打がチームに勝利を呼び込んだ。日本ハム中島卓也内野手(28)が28日、ソフトバンク5回戦(札幌ドーム)の4回1死満塁で決勝打となる先制適時打を放った。

昨季はプロ初のグランドスラムを放つなど満塁機で11打数6安打16打点と勝負強さを発揮。勢いそのままに、今季初めて迎えた満塁の場面で仕事を果たした。

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塁は全て埋まっていた。中島は冷静に周りが見えていた。「前進守備なので前に飛ばせばなんとかなるかなと思った。やっぱり1死満塁で点が入らないと流れ的にも悪い」。

4回1死満塁の先制機。カウント2-2と追い込まれたが、食らいついた。先発左腕ミランダが外角へ投げた143キロ直球にバットを合わせ、左前へ運んだ。「あの場面でなんとか1本打てて、先制点を取れてよかった」。選手会長がもたらした1点が、決勝点となった。

昨季から、塁が埋まれば勝負強さを発揮する“満塁男”に変身した。18年5月12日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で放った1号グランドスラムなど、昨季の満塁機は11打数6安打16打点をマークした。通算では66打数16安打ながら、覚醒したクラッチヒッターぶりは今季も健在。「(満塁本塁打の)イメージはなかったですけど、点を取らないといけない。積極的にいけたという感じ」とシーズン最初となった満塁での打席で、きっちり結果を残した。栗山監督も「あそこで取れないと嫌な流れになるので、すごくよかった」とたたえた。

守備の勝負強さも相変わらずだ。ゴロや併殺など9度の守備機会も無難にさばいて、先発有原を盛り立てた。「そこ(守備)が僕になくなったらダメだと思う。まず守備からいくのは毎試合変わらずやり続けたい」と話す堅守の満塁男は「連勝しないと、貯金が少ないと意味がないので明日が大事」と気を引き締めた。【山崎純一】