昨秋王者の星槎道都大が、1部初昇格の札幌大谷大を下し、白星発進した。最速150キロのエース右腕、渕上佳輝(4年=堀越)が、7回2安打無失点と好投。打者23人に対し9奪三振無四球、二塁を踏ませない投球に「メリハリつけ、テンポよく投げられた。四球がなかったのも良かった」と振り返った。

高校では3年間、全国経験なし。大学でも17年秋の明治神宮大会はベンチ入りだけで、出番がなかった。昨秋はリーグ制覇も、北海道地区大学代表決定戦で函館大に敗れ、神宮切符を逃した。「何とか、この春に勝って、今度こそ全国舞台で投げるチャンスをつかみたい」。チームとして3季ぶりリーグ優勝を果たし、平成で果たせなかった夢を、令和でかなえる。

昨年は、今季日本ハム入りした福田俊(22)に次ぐ第2エースとして春秋計7勝。福田からは「チームのために必ず勝つという強い気持ちを忘れるな」と、次期エースを託された。重責に、今春のオープン戦は、制球にこだわりすぎて四球を連発した。DeNA2軍で指揮を執った経験もある二宮至監督(65)は「初球から厳しいコースを狙うから、ボールになり追い込まれる。最初は思い切ってストライクを投げてみろ」とアドバイス。心理的な重圧が解け、開幕試合での無四球投球につながった。

将来は社会人でのプレーを考えているが、この日はリーグ開幕とあり、情報収集も兼ね中日、ヤクルト、オリックス以外のプロ9球団のスカウトが集結した。「上(プロ)でやってみたいけど、僕は、もっと力をつけないと」。まずリーグ戦に全精力を傾け、一歩ずつ階段を上がっていく。【永野高輔】