阪神矢野燿大監督がミラクルなリクエスト2連発成功で「平成最後の白星」をたぐり寄せた。ワンプレーもおろそかにしない。

3点リードの7回。先頭バティスタの強烈な打球を三塁大山がはじく。だが、カバーした木浪が捕って送球。須山一塁塁審は1度は両手を広げたが、指揮官がベンチを飛び出し、アウトに覆った。

8回も3点差に詰め寄られた直後、鈴木のゴロはボテボテで遊撃前へ。木浪が体勢を崩しながらも一塁送球したが、内野安打のジャッジ。だが、再びリクエストで、間一髪の遊ゴロに変わった。反撃ムードを断つ好判断。球際を制した。

矢野監督は「ここから見ても、どっちもアウトに見えた。1個目は(大山)悠輔がうまくワンタッチしたというのはあった。(木浪)聖也が2つともしっかりしたスローと無駄のない動きでアウトにした。行ったときも自信を持っていった。不安もあったけどね」と話した。前日29日も中日戦(ナゴヤドーム)の1回に二塁内野安打が二ゴロに変わるリクエストを成功させるなど積極的なタクトが奏功する。

チームは広島に快勝し、甲子園での連敗を3で食い止めた。新元号の令和を象徴するように若手が躍動した。「すごく歴史に残る場所で、こうやって監督として戦わせてもらっている意識はある。区切りのなかでしっかり戦いたいというのはあった。平成最後、勝って終われたし、令和でもね、年号変わってもいいスタートを切れるように明日、頑張ります」。勝率5割復帰に王手。平成は30年間で9度、最下位に沈むなど、苦戦した。新時代こそ光をもたらす。【酒井俊作】