平成元年のドラフトでヤクルトに2位指名され、捕手、選手会長、監督として平成のプロ野球で戦ってきた古田敦也氏(53)が「平成プロ野球史」を語った。

BS朝日で3日と10日にMCを務める「スポーツクロス」(午後11時30分)で特集する。

注目のエピソードは入団1年目(平2)で出場したオールスター戦の夜の出来事だ。偶然、宿舎の風呂場で一緒になった中日落合博満内野手に「落合さんバッティング教えてもらえませんか?」と直訴。それまで3度の3冠王に輝く大先輩への、新人捕手の大胆な願いだったが、落合氏は代名詞の神主打法の一端を教えてくれたという。

2年目、古田氏はその落合と首位打者を争う。落合氏は最後の広島とのダブルヘッダーで6打数5安打して7厘差をつけられていた古田氏を5毛差で大逆転(3割3分9厘5毛)。ところが、翌日、最終戦に臨んだ古田氏は2打数1安打の3割3分9厘8毛と3毛差で逆転。捕手の首位打者獲得はセ・リーグ初だった。

あらためて最終戦の前夜を振り返った古田氏は「寝られなかった」としみじみ語った。この首位打者をきっかけにしたように、ヤクルトは野村克也監督の下、翌年から2連覇を達成。古田氏も守備だけでなく強打の捕手として球界を代表する選手となった。

ほかにもプロ野球選手会会長として臨んだ平成16年の球界再編問題に対した覚悟や、巨人桑田真澄投手から聞いた長嶋茂雄監督の秘話など、名場面の裏話が明かされる。