ロッテ角中勝也外野手(31)が、独立リーグからドラフト指名された選手で初の1000安打を達成した。6回2死一、二塁、ソフトバンク先発千賀の追い込まれてからの速球を引っ張った。鋭い打球は右翼手の前へ。「独立リーグがなければNPBに入ってない可能性が大きい。『ありきたりですけど、入団した時はまさかここまで打てるとは思いませんでした』というコメントが一番似合う選手じゃないかと思います」と振り返った。

最後まで諦めず、コツコツと安打を積み重ねた。2ストライクからノーステップに変え、際どい球にくらいつく姿は、多くのファンをとりこにしてきた。「(粘るのは)前に飛ばないだけっす。自信はないっすよ。本当はやりたくないけど、やらないと1年間持たないんで。下半身がしんどいからしょうがない」というが、追い込まれてからの安打は479本。半数近くを2ストライクから放った。

この日もチームのバスとは別で球場に前乗りし、入念にストレッチをした後、ブルペンでバットを振った。そんな努力家は「あらためて思ったのが、2000本打つ人は普通じゃねーなと。そこまでは無理だと思うのであと500本を目指して頑張ります」。持ち前の粘り強さと勤勉さで、これからも安打を積み重ねていく。【久永壮真】

▼通算1000安打=角中(ロッテ)11日のソフトバンク8回戦(ヤフオクドーム)の6回、千賀から右前打を放って達成。プロ野球297人目。初安打は07年7月26日のソフトバンク16回戦(ヤフードーム)で西山から。

◆角中勝也(かくなか・かつや)1987年(昭62)5月25日、石川県生まれ。日本航空二(現日本航空石川)から四国IL・高知を経て、06年大学生・社会人ドラフト7巡目でロッテ入団。首位打者2度(12、16年)最多安打(16年)ベストナイン2度(12、16年)。13年WBC日本代表。今季推定年俸1億3100万円。180センチ、85キロ。右投げ左打ち。