広島ジョンソンが穏やかな笑みを浮かべてお立ち台に上がった。DeNA打線を6回無失点に封じ、2勝目をマーク。「チームが自分を見捨てずにサポートしてくれた。それに応えたいと日々思っていた。明日は母の日。ここにいる全員の母にありがとうと言いたい。自分の妻にもありがとうと言いたい」。真っ赤に染まった本拠地のスタンドに向け、思いを語った。

苦しんできた。開幕から絶不調。投球フォームを見失い、思うようにストライクが取れなくなった。「こんなに苦しんだことはない」。映像を何度も見直し、数多くの問題点を見つけた。ステップ、左手の使い方…。「一気には直せない」。結果が出ないイライラを抑え、ひとり修正作業に向き合うしかなかった。

この日は打者26人中19人への初球がストライク。1巡目は最速150キロの直球で押し、2巡目から変化球を増やした。0封リレーを演出し、チームの0封勝ちはリーグトップの6度目。佐々岡投手コーチは「先発が踏ん張ればこういう試合になる」と話した。これで勝率5割復帰。ジョンソンも広島も本来の力強さを取り戻してきた。【村野森】