尼崎市出身の広島床田寛樹投手が凱旋(がいせん)登板する。5連勝をかけて、17日の阪神戦に人生で初めて甲子園のマウンドに上がる。

小学生のときに1度だけ甲子園の外野席で高校野球を見たことがある。ただ「途中で飽きて、ららぽーとでおにご(おにごっこ)をしていました。あまり(野球を)見るのは好きじゃない」。阪神ファンに囲まれた環境で育ちながら、1度も阪神戦を甲子園で見たことがない。聖地と言われる球場での初登板に浮足立つ投手も少なくないが、床田にとっては生まれ育った地元の球場でしかない。「ルーキーのときにオープン戦で帯同しているときに(甲子園で)ランニングしましたけど、思ったほど感動はなかったですね」と苦笑い。試合になればスタンドを埋める阪神ファンの大歓声が鳴り響き、やじも飛んでくるかもしれない。それでも「関西弁も聞き慣れているので」と笑い飛ばす。

チームは4連勝中も、阪神には2勝4敗と負け越している。「いい打者が多いので連打を食らわないようにしていけたらと思います」。首位浮上を狙うチームに、そして応援にかけつける家族や親戚、友人に、勝利を届けたい。【前原淳】