楽天の育成木村敏靖投手(23)が、3年目でのプロ初勝利を挙げた。

ヤクルト戦の2番手で登場。4回には「びびりました」と言いながらバレンティンを遊ゴロに仕留めるなど、3回2/3を2安打無失点。「中継ぎなので勝利よりも0に抑えられたことがうれしい」と控えめに笑った。

御所実(奈良)では外野手兼投手として県8強。履正社医療スポーツ専門学校でも二刀流ながら150キロを投げる身体能力を見込まれ、16年の育成4位で入団。しかし、「球の速い上手投げはいっぱいいる」と生き残りをかけ、ルーキー時の8月に横手投げに転向した。現役から往年の名投手まで多くの横手投げの映像を見て研究。2軍マネジャー梅津氏(元広島、楽天)にも貪欲に。アドバイスを求めた。

小山2軍投手コーチは、「右のサイドはウチにいないし投げっぷりもいい」と期待を寄せる。塚田ブルペン捕手も「下からホップする感じ」と素材を認める。シーズン前には目標とする福山に頼み込み、藤田らと行う自主トレに参加させてもらった。「毎年クビを覚悟してきた。とにかく支配下になることが目標です」。楽天投手陣の新たなピースを目指す。【野上伸悟】