混パにさせない! ソフトバンクが高橋礼投手(23)の好投で、連敗を3で止めた。このカード2試合で27安打、7本塁打、16点と打ちまくっていた西武打線を相手に自己最長となる8回を投げ、5安打1失点。無傷の5連勝でリーグトップに並んだ。対西武3戦3勝という西武キラーぶりも発揮した。パ・リーグは5位までが3・5差という混戦模様だが、首位の座は譲らない。

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猛威をふるう山賊相手にもひるまなかった。4回2死二塁で打席には山川。高橋礼はカウント2-1から内角高めに自慢の直球を投げた。今季ソフトバンク戦で6本塁打。このカード2試合で3発のスラッガーを詰まらせて一飛に打ち取った。「中継ぎの方が頑張っている中で、勝ちに直結しない場面があった。球数を減らしたり、四球を出さずに8回まで投げられて良かった」。自己最長の8回を投げ、無四球5安打1失点。「令和のサブマリン」が令和初勝利で、無傷の開幕5連勝を決めた。

今季5勝のうち、対西武はプロ初勝利を含む3戦3勝となった。「研究もされるし、攻略されるんじゃないかという恐怖心はある。でも、出せる力は決まっているので。その日の100%を出し切ることしか考えていなかった」とがむしゃらだった。工藤監督も「3回行って、今日が一番いい。相手にもデータが集まった中で、それを上回るピッチングができた証」とほめた。

4番山川には7回に今季初となる安打を打たれたが、ここまで7打数1安打と得意にしている。「インコースを狙ったボールがびびって甘くなってしまうのが一番ダメ。外れてもいいくらい。1球で仕留めてやろうと思って投げた」。山川はじめ、早打ちの傾向を逆手に取り「初球から勝負球のつもりで」と厳しいコースを突いた。高橋礼は専大時代に大学日本代表対NPB選抜で山川を打ち取った経験もあった。14日に先発した同期の椎野にも「振ってくる怖さはあるけど、しっかり投げれば1球で抑えられる」とアドバイスするほど。自信を持って腕を振り、どう猛な獅子を黙らせた。

快投でチームの連敗を3でストップ。主催試合では16年7月日本ハム戦以来となる同一カード3連敗も阻止した。「これ以上負けられなかった。首位にいるチームなので。下から追いかけてくるチームもある。試合に勝てて良かったです」。5勝はリーグトップタイ。欠かせぬ存在となったサブマリンがさわやかに笑った。【山本大地】