日本ハムが今季初の4連敗を喫した。楽天11回戦(札幌ドーム)はチーム勝ち頭の有原航平投手(26)を先発に立てたが楽天打線に攻略され、本拠地では今季初黒星となる2敗目。

打線が3点差を追いついた直後の5回に勝ち越しを許すなど、試合の流れをたぐり寄せることができなかった。頼りの右腕が崩れてチームは2カード連続の負け越しで、今季ワーストタイの借金2となった。

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試合が振り出しに戻った直後だった。有原のカットボールは、決して失投には見えなかった。「でも、やっぱり、打たれているので…」。4回に打線が3点差を追いつき、迎えた5回先頭。早大の1学年後輩、楽天茂木に内角高めに食い込む、得意球をフルスイングされた。打球は高い弧を描いて右翼席中段へ。決勝の5号ソロの行方を見つめ、うつむいた。痛恨の1球になった。

2回も、決して失投には見えなかった。「でも、やっぱり、高さとコースが甘かった」。無死一塁でブラッシュに先制13号2ランを浴びた。打たれたのはカウント1-1からの3球目、外角への150キロ直球。1球前は148キロのツーシームで内角をえぐっていた。踏み込ませないための布石を打っていたが、逆方向へ、パワーで運ばれた。「そこまでの攻め方とかを考えないといけない」と結果を重く受け止めた。

何よりも、チームを勝たせられなかった責任を感じていた。「ああいう結果が一番、チームの流れも悪くなる。連敗を止められなかったのが、すごく申し訳ない」。この試合の重要性を分かっていたからこそ、自分を責める言葉しか出てこなかった。

チームは今季初の4連敗で借金も今季ワーストの2と膨らんだ。1週間前の楽天3連戦から、あえて1、2戦目の先発を入れ替えて臨んだが、結果が裏目に出た。長いシーズンを見越して、試行錯誤しながら用兵をつかさどる栗山監督は「勝ちきれないのは必ず理由がある。しっかり、こっちの頭の中も含めて整理して、しっかりやります」と振り返ったが、口調は重かった。シーズン前半戦のヤマ場である5週連続6連戦は始まったばかり。「次の登板は、しっかり頑張りたい」と前を向いた有原がフル回転しなければ、勝負どころは乗り切れない。【木下大輔】