オリックス成瀬善久投手(33)が6回途中、散発3安打1失点と復活の兆しを示した。

勝敗は付かなかったが、先発の役割を果たしチームに勝利を呼び込んだ。最速は132キロながら緩急をつけ、3回まで楽天打線を完全に封じた。失点は4回浅村に浴びた左中間への1発のみで「落ち着いていました。前回に比べて回りを見る余裕があった」と冷静に自己分析した。

昨季ヤクルトから戦力外通告を受け、春季キャンプで入団テストを経て加入したが、直後に右太もも裏の肉離れで出遅れた。移籍後初先発した4日ソフトバンク戦では3回途中7安打4失点KOで即2軍に降格。3週間ぶりとなった今回は変化球を中心に打者の低めを丁寧に突き「スライダーとチェンジアップがよかった。打者の打ち気をそらすことができていたと思う」と手応えをみせた。

ロッテ時代にともに戦った西村監督は「持ち味を出してくれた。低めにしっかりボールを集めることができていた」と評価。「前回の反省をもとにファームでやってきたことを出してくれた」と33歳をねぎらった。ただ、6回は死球と単打で2死一、二塁とピンチを招いての降板。成瀬は「今日は紙一重の部分もありましたし、まだまだやるべきことはある。ここぞという時のコントロールミスを反省して、次回しっかり投げられたら」。次こそ16年7月8日中日戦以来、約3年ぶりの白星をつかみ取る。【古財稜明】