巨人が新オーダーで交流戦初戦を逆転勝ちで制した。

交流戦開幕を機に、シーズン開幕から不動の4番だった岡本和真内野手(22)が6番に下がり、本塁打王争いトップの坂本勇人内野手(30)が約4年ぶりに4番に入った。3番丸とともに上位打線で重圧をかけ、5回に下位打線の8番陽岱鋼のソロで突破口を開き、1点を追う土壇場9回には、7番ビヤヌエバが起死回生の逆転2ラン。パ・リーグ首位の楽天を相手に接戦をもぎ取り、3連勝を飾った。

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豪快にバットを振り抜き、雄たけびを上げ、一塁に駆けだした。ビヤヌエバは大きなストライドで、ダイヤモンドを1周。声を上げながら、ベンチ前でチームメートとハイタッチを重ねた。「感触は非常に良かった。チームの勝利に直結したので、それが自分にとっては一番うれしいです」と声を弾ませた。

交流戦開幕を機に、原監督が動いた。不動の4番だった岡本を6番に下げ、絶好調の坂本勇を15年6月27日のヤクルト戦以来の4番に起用。3番には丸を置き、「サカマル」の並びも、今季初めて逆にした。

原監督 そんなに深刻に強く決断したということではなく、ややビッグベビー(岡本)が困っているというところで少し助けてあげようと。「勇人、丸、頼むぜ」というところ。

開幕から4番の岡本が試合前の時点で打率2割4分6厘と苦しむ中、原監督は最善策を強調するとともに「岡本を少し精神的に楽なところで打席に立たせたいというところもあった」と今後の戦いに不可欠な主砲の復調の期待も込めた。

自然とダブルクリーンアップが形成された。3番丸、4番坂本勇、5番大城が第1の中軸。6番岡本、7番ビヤヌエバ、8番陽岱鋼は第2の中軸。3、4番は無安打と沈黙したが、今季も中軸での出場経験を持つ陽岱鋼が先制の3号ソロ。1点を追う9回には岡本が2安打目の中前打で出塁し、ビヤヌエバが逆転7号2ランで試合を決めた。

チームには「個人より巨人」の考えが浸透する。だから、岡本も「試合はチームプレーなので、勝てればOK。今日は何とかつなぐことができたので、続けていきたいです」と言った。前夜は宮城県内の焼き肉店で決起集会を開催。グラウンド外で結束を固め、3連勝を飾った。【久保賢吾】