明日への糧に-。広島山口翔投手(20)が、「日本生命セ・パ交流戦」の西武戦でプロ2度目の先発マウンドに上がり、プロ初黒星を喫した。

2点リードをもらった直後の1回裏に西武秋山の先頭打者弾でプロ初失点を喫すると、3回まで毎回の5失点。2番手アドゥワも4失点と、12球団屈指の山賊打線につかまった。チームは10カードぶりの負け越しで交流戦スタートとなった。

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プロの最高レベルを肌で感じた。先発山口が投じた球は、“山賊打線”の餌食となった。球が少しでも高く浮けば捉えられ、秋山や山川など日本を代表するスラッガーには特大弾を浴びた。前回ヤクルト戦でのプロ初先発初勝利から中6日。連勝を目指した2度目の先発でプロの洗礼を浴びた。

山賊打線の壁は高かった。2点の援護点をもらった1回。秋山に浮いたスライダーを完璧に捉えられた。打球は右中間席上段に着弾。「気持ちは切り替えることができていた。そこからどうやって抑えていこうかとなった。先、先を見て、自分の投球ができなかった」。初登板から12イニング目のプロ初失点の動揺もあり、立て直すことができなかった。

さらに1死一、三塁から森に右犠飛を打ち上げられて同点に追い付かれると、2回も先頭打者の二塁打から失点。3回も先頭打者に安打を許し、山川に浮いたスライダーを右中間席最後列まで運ばれた。「(球が)低めにいかないと1軍レベルでは簡単にいかれる。プロの怖さを知りました」。前年パ・リーグ王者であり、12球団屈指の強力打線を肌で感じた。

3回まで毎回の5失点でプロ初黒星を喫した。「この悔しさを味わったので、課題は見つかった。その課題をつぶしたい。死に物狂いでやりたい」。中村からは1回に151キロで空振り三振を奪い、3回にも150キロで空を切らせた。時折見せた思いきりのいい投球を収穫としたい。

2番手アドゥワも3本塁打を浴びて4失点。若手2投手が山賊打線を止められず、10カードぶりの負け越しで交流戦スタートとなった。山口、アドゥワともに今後の起用は未定ながら、緒方監督は「若い投手はいい勉強になった。この経験を次回(登板)に生かせるように」と若手2投手の今後の成長に期待した。【前原淳】

▽広島佐々岡投手コーチ「そう甘くはないということ。打たれた球は変化球かな。腕の振り、高さも含めて、打たれた怖さを知って次にどう生かすか」