桐蔭横浜大が劇的な逆転サヨナラ勝ちを収めた。

5-7の9回に一挙3点を奪った。先頭で代打鹿糠(かぬか)が左前打で出塁。四死球で1死満塁とし、まず押し出しで1点を返した。さらに3番道上季生(きお)外野手(4年=日南学園)を迎え、中京学院大は3番手で高野が登板。ところが、初球を投じた際、ボークを取られ、走者がそれぞれ進塁。同点となった。さらに、道上が中堅へサヨナラ犠飛を放った。

2点を追う9回の攻撃が始まる際、斉藤博久監督は「3アウト目のコールを聞くまで、絶対に諦めるな」と鼓舞した。「先頭で鹿糠が出て、期待感はありました。相手のボークや死球に助けられたけど、よくひっくり返してくれました」と選手たちをねぎらった。

サヨナラを決めた道上は、4年春でやっとレギュラーをつかんだ。肝心なところで失策を犯すなど、甘さがあった。転機は昨秋。斉藤監督から「私生活から見直そう」と言われたことだ。ごみを拾ったり、トイレや風呂場のスリッパをそろえたり、身近なことから行動を変えた。「そしたら、ボテボテの打球が抜けてくれて。運がついたのかな。視野も広くなりました。野球につながっています」。小さな善行は、今も続けている。

次戦は12日、東洋大との2回戦だ。東都リーグ覇者との対戦に、斉藤監督が「東都リーグ、(東京)6大学リーグは、我々が目指していたところ。そこを破りたい。挑戦権を得ました」と意気込めば、道上も「レベルが高いリーグに勝たないと、日本一にはなれない」と呼応した。逆転サヨナラの勢いをぶつける。