立命大が手痛い再逆転負けを喫し、初戦敗退した。1点リードの8回から継投した有村大誠投手(3年=秀岳館)が逆転された。

リーグ戦では2戦目の先発を任されてきた右腕は、本調子ではなかった。目を赤くはらした有村は「自分のベストをもってこられなかったのが一番の反省。打たれてしまったら全部自分が悪い」と絞り出した。

8回1死から2連続で内野安打を許し、四球で1死満塁。ここで4番の海野隆司捕手(4年=関西)に狙い通りにゴロを打たせたが、打球は人工芝で大きくはねて、三塁手の頭上を高々と越えていった。痛恨の逆転2点打になった。

中盤まではエース坂本裕哉投手(4年=福岡大大濠)と東海大・山崎伊織投手(3年=明石商)の互角の投げ合い。先制されたのは坂本。6回に2点三塁打を浴びて先制された。初球の直球を痛打された。

「東海は力で押しても甘く入ると打ってくる。丁寧にいった方がはまると対策していたが、もっと注意深く入らないといけなかった。一振りでいかれた。自分の甘さ。あれが今日一番ダメでした」。

この回は簡単に2死をとってから1番打者に三塁前にバント安打を許した。完全にノーマーク。続く2番、3番に連打された。点の取られ方も悪かった。

それでも打線が7回、リーグ首位打者の池上颯内野手(2年=報徳学園)の適時二塁打などで3点を奪い、3-2と逆転。その裏、坂本が無失点に抑え、勝利への道筋ができたように見えたが8回のマウンドに上がったのは有村だった。

有村はリーグ戦防御率1・35。同0・84の坂本に近い信頼を得ている存在だ。7回2失点のエースを代える決断をした後藤昇監督(58)は「坂本は最初から飛ばして、彼のペースで投げてくれた。勝てば連戦になるし、1人にかたよって球数を投げさせられない。試合前から継投は考えていた」と説明した。結果的に、継投は裏目に出た。創部以来の悲願の日本一は秋以降に持ち越しになった。