大体大が延長10回タイブレークの接戦をサヨナラで制した。

9回から登板した2番手位田(いんでん)遼介投手(1年=履正社)が10回無死一、二塁から始まる相手の攻撃を0点でしのぐと、その裏に2死満塁から大西進太郎内野手(3年=明石商)が左前に打ち返し、決着させた。

無死満塁からスクイズ失敗の悪いムード。大西もそれまで3打数無安打だったが、中野和彦監督(60)は「芯に当たっていた。内容は悪くなかった」と打席に送った。初球から振っていった大西は「自分の時は初球から直球が多かった。初球を狙っていました」と快打を振り返った。

教員を目指す生徒がほとんどの体育大学ならではの困難が毎年ある。4年生は教育実習が始まる時期。今回は主将の駒方公紀内野手が母校の高岡商(富山)で3週間、実習した。

チーム合流は開会式の前日8日。リーグ戦最終日から始まり、ぎりぎり全国大会に間に合う日程に高校側も協力してくれた。大事な大会直前の離脱だったが、駒方は母校野球部の練習に毎日のように参加し、今大会に調子を合わせた。

エース中村光投手(3年=箕島)はリーグ戦終盤から疲労で体調を崩し、肺炎にかかった。1週間の絶対安静期間を経て、実戦登板はその後1度だけ。左腕は「ほぼぶっつけ本番でした。位田がいるので、いけるところまでいこうと思った」と8回2失点の投球にホッとした表情を見せた。

2点を先行される苦しい展開。初戦ということもありナインは硬かったが、6回に木村翔外野手(3年=大手前高松)の右翼越え2ランで追いつき、何とか立て直した。「木村が打っていなかったらあのままズルズルいっていたでしょう」と中野監督。紙一重の選手権4年ぶり白星だった。