佛教大がサヨナラ勝ちで4強入りを決めた。京滋大学リーグ代表の4強は初めて。昨年Vの東北福祉大に0－3と劣勢だったが、8回に追いつき、9回にスクイズで試合を決めた。

KOパンチならぬKOバントで試合終了のゴングを鳴らした。9回1死二、三塁から4番の石井太尊（たいそん）内野手（4年＝玉野光南）が冷静に三塁前に打球を転がした。前日は本塁打を放っている4番打者だが、佛教大は全員にバントのサインが出る。

「チームとしての課題がバントだったので全員で取り組んできました。準備はできていました。うまく転がせてよかったです」。格闘技好きの父浩伸さん命名の「たいそん」はパワーだけでなくバントも得意。内角球に逆らわず、三塁側を狙ったという。「スクイズだけど貢献できてよかった。去年優勝のチームに勝ったことより、チームの目標だったベスト4に行けたことがうれしいです」と、笑顔がはじけた。

粘りは本物だ。相手がプロ注目右腕の津森宥紀投手（4年＝和歌山東）に代えてきた7回に反撃開始。球の速いサイド右腕に対して、全員がバットを一握り短く持った。

0－3の7回は8番の森本翔大内野手（2年＝天理）の右前打で1点。8回は無死一、二塁から木岡大地外野手（2年＝上宮太子）が左翼線に2点三塁打を放って追いついた。木岡は「併殺だけは避けたかったので、いつもよりグリップを下げて、フライ、ライナーを上げやすいようにした。打席でひらめきました。日本を代表するような投手なのでいつも通りでは打てないと、切り替えた。うれしいです」としてやったり。

投げてはエース中山怜央（4年＝奈良大付）を7回からリリーフした左腕木下隆也投手（2年＝奈良大付）が終盤3回をほぼ完璧な内容で抑え、逆転劇に大きく貢献した。

1回戦の八戸学院大戦は0－3の9回に一挙4点奪って逆転サヨナラ勝ち。石井は「初戦の勝ち方が勢いにつながっていると思います。目標のベスト4を達成できたので、次はもっと先を見て日本一を狙いたいです」と大学チャンピオンに目を向けた。

▽中日大野雄（母校の佛教大が全日本大学選手権でベスト4進出）「マジですか。練習前は0－3で負けていたんですけど。土曜日の練習後に応援行こうかと考えてたんですが、明日（14日）に差し入れするのもありですね」