一振りで決めた。2回無死一塁、ヤクルト村上は狙いすましていた。「積極的に打つ気持ちで打席に入りました」とソフトバンク大竹の初球、内角138キロ直球を仕留めた。打った瞬間にスタンドインを確信する高い放物線で右翼席へと放り込んだ。19号2ラン。「最近、結果が出ていなかったので打てて良かった」と振り返ったが、16日西武戦の18号から3試合ぶりの1発を見舞った。

19歳の燕が単独飛行の態勢に入った。高卒2年目の19号は国鉄時代の64年高山忠克を抜き、球団単独トップ。球界を見ても清原、松井ら屈指のスラッガーに続き、史上5人目の快挙だ。「1打席、1打席集中して入る。それの繰り返しです」と記録への関心は示さないが「ホームランがチームにプラスになるのならばいい。今日みたいに負けになることもあるが勝ちに貢献できる1点、一打にこだわっていきたい」と勝利へのアーチを追い求める。

ここまで対戦した全10球団から本塁打を記録。21日からのロッテ戦での1発となれば、史上最年少で全11球団からの本塁打を達成する。「結果がついてこなければ、1軍での試合に出られない」。次こそは記録とともに勝利を呼び込む。【島根純】