故障者続出のソフトバンクの中で、15年ドラフト1位高橋純平投手(22)が頭角を現している。中継ぎとしてここまで自己最多の11試合に登板。17回2/3を投げ、防御率は1・02。

守護神森が離脱し、リリーフ陣に疲れが出てくる中、28日のリーグ戦再開からは、さらに重要なポジションでの活躍が期待される。高橋純が日刊スポーツのインタビューに応じ、今の思いを明かした。【取材、構成=石橋隆雄】

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-優勝した交流戦ではヤクルト山田哲、巨人坂本勇ら主力を抑えた

高橋純 基本的に僕みたいに1軍経験がない人って、多分、名前負け、打者の名前に圧倒されて自分の投球ができないということが多い。もちろん坂本勇さんたちも威圧感があった。だから、あえて、何も意識しないように。とにかく自分の投球ができれば抑えられるというふうにだけ思って投げるようにしている。

-中継ぎではなく先発として投げたいのか

高橋純 先発をしたいという願望は今は全然ない。森さんや岩崎さんの姿を見てすごくかっこいいなと、セットアッパー、クローザーへの憧れがあった。今はすごく充実している。

-3年目の昨年は1軍登板がなく、ファームでもがいていた

高橋純 自分の投球が不安定で、答えが見えずさまよっていた。投球フォームを大きく4回、ガラッと変えた。細かい変更を入れれば数え切れない。

-球速も本来のスピードとはほど遠かった

高橋純 思い切り投げていても140キロ台の中盤という試合も多くて。シーズン後半で、今年はもう1軍は絶対にないなと思い始めたくらいの時は、ある意味、絶望ですよね。もう多分、このままクビになっていくんだくらいに考えていた。

-オフにはドラフト同期の小沢、黒瀬、茶谷が戦力外通告を受け育成選手に(茶谷はロッテ育成)

高橋純 ドキッとした。焦りはそこでもありました。

-プエルトリコのウインターリーグへ行った

高橋純 相手はみんなデスパイネみたいな選手ばかり。変化球で逃げずに直球を打たれるだけ打たれて帰ってきた。昨秋のフェニックス・リーグでは直球を打たれなかったけど、プエルトリコでまた挫折した。真っすぐを鍛えるしかないと、球速を速くすることだけを考えてトレーニングしてきた。筋力トレーニングと走って下半身強化することだけに重点を置いた。

-今季は1年目に並ぶ自己最速154キロを出した

高橋純 直球は岩崎さんをイメージしている。フォークは千賀さん、スライダーは森さんのカットボールの曲がり幅をもう少し大きくした感じ。あそこまでのスピードはさすがに出ないので。カーブは石川さんのカーブのように縦に突き刺す感じ。

-「岩崎+千賀+森+石川」のいいところ取り

高橋純 最強ですよ。その先輩方が、復帰したときに僕が2軍に落ちないように頑張るしかないですね。

◆高橋純平(たかはし・じゅんぺい)1997年(平9)5月8日、岐阜県生まれ。県岐阜商3年のセンバツで8強。15年ドラフト1位でソフトバンク入団。日本ハム、中日と3球団が競合した。2年目の17年に1軍デビューも1試合に終わる。4年目の今季は開幕2軍スタートで、5月24日に2度目の1軍昇格から中継ぎとして安定した投球を続ける。183センチ、85キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1300万円。