豪華な花火大会が、横浜の夜空を彩った。DeNAが、ともに今季最多の17安打13得点で広島に大勝した。4番筒香嘉智外野手(27)は、電光掲示板を直撃する推定139メートルの特大2ランを含む2発。2番ソト、3番ロペスと、3人で計5発を放った。1試合5本塁打も今季最多で借金を2に減らし、最高の形でリーグ再開戦を飾った。

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直前、横浜上空に雷が鳴り響いた。2点を追う4回無死一塁。筒香が、大瀬良の149キロを捉えた。打球はグングン伸び、電光掲示板を直撃した。15年に横浜スタジアムで、ソフトバンク柳田が放った「電光掲示板破壊弾」をほうふつとさせる推定139メートルの15号2ラン。破壊こそなかったが、雷鳴をしのぐ衝撃だった。「バックスクリーンには、記憶の中では1、2回当てたことがあるかな」と稲妻のような一撃を放った。

一時の不振に、まるで電気ショックを与えるかのごとく、完全復活した。交流戦は17試合で打率2割4厘、3本塁打、4打点。最終カードの楽天戦では、3戦連続で無安打に終わっていた。それがこの日は電光掲示板直撃弾に加え、左中間への1発など3安打3打点と大暴れ。「休みの間、体の変化と相談して、確認作業ができた。何となく試合に入ることなく、うまく試合に入れた」と心と体を整え、良き“充電期間”とした。休養日だった25日には横浜スタジアムで自主的に打撃練習を行い、理想の感覚を戻すことに努めた。

ハマの主砲がかっ飛ばせば、助っ人たちも黙っていない。ロペスは1回に左翼最上部に設置される「wamiles」の看板に直撃させ、7回には、その隣の看板「メモワール」と2発を打ち上げた。昨季の本塁打王ソトも負けじと、左中間へリーグトップの23号3ラン。3打者が、そろって広島大瀬良から豪華なアーチ競演を果たした。

今季最多安打&得点に加え、1試合最多の5発でリーグ再開戦を「爆勝」で彩った。ラミレス監督は「大瀬良はリーグでもすごくいい投手。こういう展開を予想していなかった。スローガンのように、まさに限界を超えた」と手放しで喜んだ。【栗田尚樹】