巨人クリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(25)が「もぐもぐタイム」効果で6月7日ロッテ戦以来、約1カ月ぶりの6勝目を挙げた。

序盤からややカット気味に動く140キロ前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップで緩急をつけた。7回に1死一、三塁とピンチを招いたが、DeNA大和を左飛、代打嶺井を二ゴロに打ち取った。今季最多115球で7回4安打無失点と好投した。「勝つことができてとてもうれしい。100球を超えても投げられたし、7回もいけてよかった」と喜んだ。

ここ6戦は6回を投げきることができず、100球前後でのスタミナ不足が課題だった。課題克服へトレーニングコーチと話し合い、ここ2、3試合前から試合中の栄養摂取を心がけた。元々水も飲んでいなかったがスポーツドリンクを飲み、1本のバナナを少しずつ食べるようにした。攻撃中のベンチ前でのキャッチボールも球数を減らし、体力温存に徹した。

前回登板の6月30日ヤクルト戦から中5日の期間中には、東京ドームのスタンドの階段をダッシュし下半身を強化。3日前のブルペン投球には原監督から、体を横ではなく縦回転にすること、リリースポイントを前にすることを教わった。

宮本投手総合コーチは「人の意見をしっかりと聞いて堅実にやってくれている。僕は『バナナ王子』って呼んでます。いや、『ドミニカン・バナナ王子』がやってくれましたよ」と助っ人左腕の努力を褒めたたえた。

育成から支配下選手に登録された昨季の5勝を上回ったメルセデスは「なかなか勝てない時期が続いたけど、家族の存在が大きかった。妻、子ども、そして母に感謝したい」と久々の白星をかみしめた。