先発初対決の桜井は予想以上に難攻不落だった。阪神打線が躍動感あるマウンドさばきに圧倒された。3回。1死から坂本が左前打で出塁し、ガルシアは三塁ビヤヌエバの真横を抜くバントヒット。だが、近本が桜井の冷静な配球に封じられた。1-1から内角高め速球をファウル。その直後、対角線へのチェンジアップに空を切った。糸原も内角を厳しく攻められ、沈む球で空振り三振に倒れた。

桜井を7回まで打ち崩せず、今年9度目の完封負けで巨人に連敗。今季最大の8・5ゲーム差に広がってしまった。矢野監督が「打線がどう点を取るか。チャンスメークまではいくんだけど、あと1本というところがね。課題」と嘆いた。

引き締まった好ゲームを見せても、試合巧者の巨人にわずか及ばない。指揮官は「あと1本というところがね。打線は水ものとは言うけど。俺らが上に行くためにはどう点を取るかがチームとしての課題。そういうところで負けた試合」と危機感を募らせた。数字の上は、早ければ後半戦再開直後の16日に自力優勝の可能性が消滅する。セ・リーグの貯金を独占する巨人の独走を阻むためにも、攻撃の精度アップが課題だ。

再び借金を背負い、前半戦は今日10日の巨人3戦目を残すだけ。指揮官は語気を強める。「いつも同じになって申し訳ないけど、負けたモノは取り返せない。明日、何とか勝って後半につなげられるように」。勝率5割ターンが後半戦への希望になる。【酒井俊作】