取手が初優勝を飾った。中本牧との決勝はシーソーゲームになり、最終7回表に1点差を追う取手が、2死走者なしから相手の守備の乱れもあって一気に4点を挙げて逆転。

中本牧もその裏、粘りを見せて1点差まで詰め寄ったが、取手が6-5で逃げ切った。8月1日開幕(東京・神宮球場ほか)の日本選手権へ向けて弾みをつける大会になった。

取手が鮮やかな「足攻」で全国大会を制した。2-3の劣勢の最終7回、2死走者なしから9番海老原柊寅(しゅうと)がしぶとく中前に落として出塁。1番秋葉晧介の三塁ゴロ、2番川原翔の一塁ゴロが失策となって同点。3番糠谷翔大の時に一塁走者が二塁に走りかけ、三塁走者の秋葉が本塁に突入。気づいた相手捕手が三塁に投げたため、迷わず走った秋葉の本盗が決まるダブルスチールで逆転に成功した。糠谷の内野安打の後、4番富岡大阿(だいあ)の左越え三塁打で2点を追加。その裏の反撃を2点でしのいで土壇場の逆転劇で初優勝した。この大会で主将を任された秋葉は「レギュラーが半分ぐらいいない中で、投手が頑張り、野手もいろんな守備について、守って勝った。ホームスチールは、捕手が送球のトップに入ったら突っ込めと。次は日本選手権で監督を胴上げしたい」と笑顔を見せた。石崎学監督は「(最終回4人目の打者の)秋葉には、お前まで回ると言っておいた」と予感が的中。「3年生36人、全員を全国大会に出すという目標で、それには全員がうまくならないとだめだとやってきて、それでよかったことを子供たちが示してくれた。日本選手権25人の選手を選ぶのが大変です」と、うれしい「悩み」もできた。

▽決勝

取手 0002004=6

中本牧0012002=5