広島サビエル・バティスタ外野手(27)が、豪快なダメ押し弾で3連勝を引き寄せた。

3点リードの6回2死満塁で阪神高橋遥の高め速球を打ち砕き、昨季の自己最多に並ぶ25号グランドスラム。難敵を攻略した。

高橋遥は7月7日の今季初対戦で8回0封され、昨年4月11日には7回0封でプロ初勝利を献上した相手。それでも、いずれの試合にも出ていないバティスタに苦手意識などなかった。

東出打撃コーチからは「とにかく振れ」と指示されている。フルスイングで相手をびびらせ、空振りしながらタイミングを合わせればいい。外角の変化球を意識しすぎると、打撃を崩す欠点がある。助言をかみしめ、長所を発揮した。緒方監督は「まったく今日はノーカン(ノー感じ)だったけど、ああいうことがあるからね」と笑った。

2人の恩人に贈る1発でもあった。1人はドミニカ共和国への一時帰国から戻ったばかりのクレート通訳。自分の性格も打撃の特徴も理解し、遠征先のナイター後は食事をしながらリラックスできる環境をつくってくれる。もう1人は、入れ替わりで帰国したフェリシアーノ通訳。離れていても、ネットを通じ気にかけてくれる。

12ゲーム差をつけられていた巨人が敗れ、3ゲーム差に近づいた。バティスタは「あと5本打ちたい。打ったらまた目標を考える。タイトルは意識しないけど取れたらいい」と不敵に笑った。V字回復の7月を経て、8月も打ちまくって巻き返す。【村野森】

◆今季のバティスタ 5月に打率3割5分2厘、10本塁打と打ちまくったが、6月は打率2割4分7厘、4本塁打と失速。7月に入ると、3日にローレンスを先発させるため、外国人枠の関係で抹消された。後半戦初戦の15日に再登録されるも、その間のチームは8戦全敗で、連敗が11まで伸びていた。復帰後は初戦で連敗が止まると、16試合で打率2割8分3厘、7本塁打と好調を維持している。