ソフトバンクが今季ワースト14失点で大敗。4カ月半ぶりに1軍に戻った柳田悠岐外野手(30)の復帰を飾ることができず、優勝へのマジック点灯目前で足踏みとなった。

柳田はプロ初の「2番」で先発。守備には就かず、指名打者でのスタートになった。初打席は初回1死。オリックス田嶋に追い込まれながら、5球目の外角直球に反応し、三遊間を破る左前打を放った。直後の内川が左翼スタンドに先制2ランをたたき込み、生還。ベンチ前で仲間と笑顔のハイタッチをかわした。2打席目以降は3打席凡退したが、ベンチで明るい声を振りまきチームを盛り上げた。

4月7日ロッテ戦で負傷し、左膝裏の肉離れで離脱。当初は復帰まで3週間程度とみられていたが、症状が想定より重く実戦復帰が8月までずれ込んでいた。2軍での6試合を経てこの日、久々に試合のあるヤフオクドームに足を踏み入れた。朝7時すぎに自宅を出て筑後に通うリハビリ生活ですっかり早起きになり、早朝に目が覚めた。「近え! 1時間の通勤に慣れすぎた」。うれしそうで、なぜか不満そう。独特の柳田節も完全復活が近い。

救援陣がリードを守れず逆転負けで、マジック点灯はお預けとなった。工藤監督は柳田について「1本出てホッとしたところもあると思う。(ベンチでも)元気に声を出して、チームにとってプラス」と話した。残り28試合。V奪回へ心強いピースが戻ったことは確かだ。【山本大地】