電脳王への最終関門を突破した。東大医学部卒、読売巨人軍営業企画部に所属する坂東秀憲氏(25)が5日、「eBASEBALLプロリーグ2019」のプロテストに通過した。

8月31日に行われた2次選考ではMグループ2位で実技審査を突破。面接審査ではプロ野球界発展のためのeBASEBALLの可能性、そして愛を叫び、合格を勝ち取った。これで16日に行われる「eドラフト会議」の候補者となり、全球団からの指名を待つこととなった。

トレードマークの黒縁メガネがキラリと光った。「まだ選ばれると決まったわけではないので、指名を信じて待ちたいと思います」と言葉は控えめ。しかし、ほっとした笑みがこぼれた。きら星のように現れた新星にeBASEBALL界も注目を注ぐ。本格的な競技開始から約8カ月での爆発的な成長力。この日更新されたeドラフト会議のサイトでは昨季のセ・リーグ優勝選手「じゃむ~」らと並んで、注目選手として紹介。「分析と研究に裏打ちされた成長曲線はプロからも注目。パワプロ界の盟主を目指す」と「東大×巨人」の分析力を高く評価された。

実は2次選考での実技試験では力を発揮できず、打撃ミスで思うように勝利をつかめなかった。「緊張からか、あまり良いプレーができませんでした。2勝1敗1分け。ギリギリ2位で通過できましたが、本当に危なかった」と振り返った。それでも面接試験では野球界への愛をさく裂。「野球が大好きです」と純真無垢(むく)な言葉で、面接官の心を揺さぶった。

打撃力は発揮できなかったが、防御率は1・80と昨年のプロ選手と見劣りしない数字を残してのプロテスト通過。「日々の勉強の成果を出せてよかった。しっかりと実力も認められるように頑張っていきたい」と言葉に力を込める。

運命のeドラフト会議まであと11日。昨年からの継続契約プレーヤーが20人おり、プロテストを通過した46人の中から指名されるのは28人。指名漏れの可能性も0ではない。だからこそ「指名を信じて待つだけです」と繰り返した。実力と話題性十分の「東大×巨人」の方程式がプロへの扉を解く。【島根純】

◆坂東秀憲(ばんどう・ひでのり)1994年(平6)1月23日、栃木県下野市生まれ。栄東から東大。東大野球部では二塁手、後にマネジャーに転向。読売巨人軍に入社後、営業企画部に配属。168センチ、63キロ。パワプロのプレーヤーネームは「どぅーけん」。