ヤクルト一筋19年目の畠山和洋内野手(36)が、今季限りでの現役引退を決意したことが7日、分かった。

下半身のコンディション不良を抱えて臨んだ今季は1軍に登録されることがなく、イースタン・リーグでの指名打者での出場にとどまっていた。近日中にも球団から正式に発表される見込みだ。

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畠山がユニホームを脱ぐ。下半身のコンディション不良に苦しみながらも、指名打者でイースタン・リーグに52試合出場。本塁打も3本放った。守備面は7月をめどに調整を続けていたものの、思うようなプレーができなかった。8月以降は、残された時間を考えながら野球と向き合い、楽しんだ。

00年ドラフト5位で専大北上(岩手)から入団。03年まで1軍出場はなかったが、04年8月6日横浜戦で初安打をマーク。05年8月19日阪神戦で初本塁打を放ち、力強いスイングでファンを魅了した。15年は、リーグ優勝を果たしたチームの主砲として打線をけん引。通算100本塁打を達成し、105打点を挙げて打点王にも輝いた。豪快な見た目の一方、守備では繊細なプレーが持ち味。巧みなハンドリングで、12、15年には一塁手でゴールデングラブ賞を獲得した。

15年に国内FA権を取得するも「やっぱりヤクルトでやるのが一番」と残留を決意。愛着のある球団のユニホームで、現役引退を迎えることになった。近年は代打での出場が増え、スタメン出場との違いに苦しみながら周囲に意見を聞くなど勉強を欠かさなかった。今年は、春季キャンプを2軍でスタート。シーズン中も1軍に登録されることがなかった。

今年5月に「若手の投げる機会を奪いたくない」とシーズン途中に現役引退を表明した元巨人上原の言葉に、共感する部分があった。常に世代交代が行われる勝負の世界で「自分も、若手の出場機会を奪っているんじゃないかと思ってしまう」と悩んだこともあった。それでも最後まで挑戦し、やり切ったからこそ、未練はない。「寂しさや、悔しさはない。ボロボロになるまでできたことは幸せ。ここまでやらせてくれたヤクルト球団に感謝しています」。ハタケらしく、グラウンドを去る。

◆畠山和洋(はたけやま・かずひろ)1982年(昭57)9月13日、岩手県花巻市生まれ。専大北上では甲子園に2度出場し、高校通算62本塁打。00年ドラフト5位でヤクルト入団。4年目の04年に1軍初出場。。15年には26本塁打、105打点で打点王。ベストナイン1度、ゴールデングラブ賞2度。オールスター出場2度。今季推定年俸4000万円。180センチ、96キロ。右投げ右打ち。