日本ハム栗山英樹監督(58)が13日、有原航平投手(27)の個人タイトル獲得を全力で後押しすると約束した。14日ソフトバンク戦(札幌ドーム)で先発する右腕は最多勝、最優秀防御率、勝率1位の3冠に輝く可能性がある。優勝マジックを点灯させた首位相手に援護点をしっかり取って、白星をアシストすることを誓うとともに、可能性を残すクライマックスシリーズ(CS)進出の望みをつなぐ。

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フル回転してきた右腕に、何としても報いたい。帰道前の羽田空港で栗山監督は、熱い口調で、有原への全面支援を約束した。「なんとか点を取ってあげたい。それ(得点を多く奪うこと)しかないので、しっかりやっていきます」。有原の成績は13日現在で14勝(1位)、防御率2・44(1位)、勝率6割6分7厘(2位)。パ・リーグ投手部門のタイトル争いで最大3つ獲得するチャンスが巡っている。

先発する14日ソフトバンク戦で白星を挙げれば、まずは初の最多勝がグッと近づく。ハーラーダービーは2位が13勝の千賀。ここで2勝差となれば、大きなアドバンテージになる。

そのためには、打線の援護が不可欠だ。優勝マジックを点灯させたばかりのソフトバンクが相手で、激戦は必至だが、栗山監督は「向こうも必死になってくる。そういう時に我々が、どういう戦いができるか。しっかり野球が出来るように、やっていきます」と意気込む。そして「航平は航平で頑張ってくれると思う」と指揮官が信じるように、有原が白星を得る投球が出来れば、防御率も勝率も向上し、15年新人王以来の個人タイトルを一気に複数獲得することも現実味が帯びてくる。

チームにとっても正念場の3連戦で、初戦を勝利する意味は大きい。CS進出の可能性は、まだ消えていない。栗山監督も「少しでもファイターズらしく、最後まで全力で。それしかない」とファイティングポーズは崩していない。まずは、チーム一丸で有原を盛り立てることが、ポストシーズンへの望みをつなぐ序章となる。【木下大輔】

◆日本ハム投手の複数タイトル 04年の北海道移転後、同一シーズン複数戴冠はダルビッシュ有が09年(防御率1・73、勝率7割5分)と10年(防御率1・78、奪三振222)に2冠が2度あり、15年には大谷翔平が防御率2・24、最多勝15勝、勝率7割5分で3冠に輝いている。