日本ハムの今季3位以下が確定した。3季ぶりリーグ制覇の可能性が14日、完全に消滅した。

ソフトバンク21回戦(札幌ドーム)は4投手が必死の継投を見せたが、打線が散発4安打と振るわず、1-3で競り負けた。9回に堀瑞輝投手(21)がマウンドに上がり、パ・リーグ記録となる6人が50試合以上に登板。17年阪神のプロ野球記録に並んだ。札幌ドームでは6試合ぶりの敗戦で、ソフトバンクには5連敗となった。

   ◇   ◇   ◇

悲嘆に暮れる本拠地の札幌ドームで、日本ハムの救援陣が歴史に名を刻んだ。6回3失点で降板した先発の有原に代わり、7回から3投手が無失点リレー。故障離脱していた柳田や中村、グラシアルが戦列復帰した“完全体”のソフトバンクに挑んだ。

9回には4番手の堀がマウンドに上がり、2者連続三振を含む3者凡退。この21歳左腕の登板が、今季チームでは玉井、公文、石川直、宮西、秋吉に続き6人目の50試合登板となった。同一チーム内に50試合以上登板が6人は、パ・リーグ記録。17年、阪神のプロ野球記録に並んだ。

開幕から安定してローテーションを守っているのは、ハーラートップの有原ぐらい。駒不足の先発陣を補うため「ショートスターター」を導入したことで、ブルペンの負荷が増した。だが、若い投手にとってはチャンスだ。

厚沢ベンチコーチは「50試合登板は1軍の選手という証し」という。1年目24試合、2年目40試合、そして3年目の今季チーム最多60試合に登板した玉井は「積み重ねた結果。自信になる」。言葉通り、この日も3番手でマウンドに上がり、グラシアル、デスパイネ、柳田の中軸を3者凡退に仕留めた。

1つの大きな野望が消えたとはいえ、落ち込んでいる暇はない。栗山監督の表情は、思いのほかサバサバしていた。優勝の望みが完全に絶たれたことに「ごめんなさい」と頭を下げた上で「簡単なことではないのは分かっているけど、その方が何かが起こりそう」。5位からの逆転CS進出へ、感動のドラマをまだまだ諦めない。【中島宙恵】

 

▼日本ハムの今季3位以下が10試合を残して確定した。14日時点で133試合60勝68敗5分けで、残り試合を全勝しても70勝68敗5分けで勝率は5割0分7厘。

首位ソフトバンクは残り11試合全敗でも勝率5割1分8厘(72勝67敗4分け)で、2位西武も残り10試合全敗で勝率5割2分1厘(74勝68敗1分け)となり届かない。