阪神能見篤史投手(40)が7回に3番手で登板し、今季登板が50試合に到達した。

40歳以上のシーズンで50試合は17年の中日岩瀬(当時43歳)以来、NPB史上2人目の快挙。試合後に報道陣から伝え聞くと「いやいや、まぁまぁ。仕事としてね。それだけ投げられてるのはね」と謙遜してタクシーに乗り込んだ。

この日は3点ビハインドでマウンドへ。テンポのいい投球で大野雄、大島、京田の3人をわずか10球で料理して、味方打線の奮起を待った。今季は同様にビバインドの展開での登板も目立つが「元気で投げられてるのが一番」と泰然自若とし、「結果は出ていないけどね」と自嘲気味のジョークをまじえる落ち着きがある。

チームは守護神の藤川を筆頭に助っ人のジョンソン、左腕岩崎ら盤石の救援陣がそろっている。ここに若手の島本や守屋も頭角を現し、ポジション争いは激しくなっている。それでも、能見も若い選手には負けていられない。中日大野雄の無安打無得点に沸いた試合で、40歳はいつものように顔色を変えず黙々と腕を振った。残り10試合も、身を粉にしてマウンドに向かう。【真柴健】