阪神横田慎太郎外野手(24)が22日、兵庫県西宮市内で引退会見を行った。

13年、ドラフト2位で阪神に入団。身体能力の高さや打撃センスから大型外野手として将来の主軸と期待されたが、17年に脳腫瘍を患い、半年間の闘病を経験。復帰後は育成契約から1軍の舞台を目指していたが、ユニホームを脱ぐ決断をした。

背番号124のユニホーム姿で臨んだ会見では、改めて「私、横田慎太郎は今シーズンでユニホームを脱ぐことを決めました」と、自らの言葉で引退を説明。決断した理由については「自分で打った打球が全く見えず、ピッチャーが投げた球も二重に見えたり、守備にもボールが二重で飛んできたり」などと、脳腫瘍の後遺症による視力への影響が大きいと話した。「来シーズンも続けるのは、厳しいかと思いました」と、自身の引き際を語った。

脳腫瘍を患ってからの日々を「2年間半、すごく苦しかったですけど。自分が野球をやりたいと思ってした決断なので、全く後悔はありません」と振り返った。

6年間のプロ野球生活では、3年目にスタメンで出場した開幕戦を挙げ「自分の中でも足が震えるくらい緊張したので、今でも印象に残っています」と思い起こした。

今後については「球団の方からも話をもらっています」と明かしながらも「しっかりと考えて、決断したいと思っています」と話した。闘病中や復帰してから2軍の鳴尾浜球場などで、絶えず声援を送ってくれたファンへは「感謝の気持ちしかありません」。幼少期から続けた野球人生にも「小さい時から野球しかしてこず。こうやって病気になってユニホームは脱ぎますが、最後にプロ野球という世界で野球ができて。しかも、阪神タイガースという素晴らしい球団で野球をやらせてもらって、本当に感謝の言葉しかありません」と、思いを伝えた。

会見終了後には、サプライズで登場した北條と高山から花束を渡され、満面の笑みを見せた。

◆横田慎太郎(よこた・しんたろう)1995年(平7)6月9日生まれ、鹿児島県出身。鹿児島実から13年ドラフト2位で阪神入団。3年目の16年3月25日開幕の中日戦に「2番中堅」で先発して1軍戦初出場。実働はこの1シーズンで38試合、20安打、0本塁打、4打点、打率1割9分。18年から育成契約となっていた。父真之さんはロッテなどに在籍した元外野手。187センチ、94キロ。左投げ左打ち。