広島が球団新となる12度目のサヨナラ勝ちで、クライマックスシリーズ進出(CS)進出に王手をかけた。

3-3の延長10回1死満塁。会沢翼捕手が、中日R・マルティネスの直球を中前にはじき返した。一塁を回ったところでベンチを飛びだしたナインに捕まる。ペットボトルの水でずぶぬれになり「負けられないゲームだった」とかみしめた。 引退試合で先発した永川を、勝って送り出したかった。常にひたむきに野球に取り組む姿を尊敬してきた。昨年6月7日日本ハム戦で、左膝手術から743日ぶりに復帰した永川とコンビを組んだときは「心が震えた」。2回無失点に抑え、本人以上のガッツポーズをつくった。引退登板も打者1人を全力で打ち取る姿に感動。8度目の勝利打点となる一打も「永さんが打たせてくれた」と話した。 先制したが追いつかれ、8回に2点勝ち越しても、9回に追いつかれるシーソーゲーム。永川のために一丸となり、永川に力をもらって連敗を4で止めた。27日中日戦が今季最終戦だが、最短24日にCS進出が決まる。会沢は気を緩めず「最後の1試合ですから、必死になってやりたい」と唇を結んだ。苦しんでいた広島が、息を吹き返した。【村野森】