阪神矢野燿大監督(50)が26日、鳴尾浜で行われたウエスタン・リーグのソフトバンク戦での横田の引退試合に参加した。

試合後のセレモニーではユニホーム姿で胴上げの輪に加わり、花束を贈呈。終了後の一問一答は以下の通り。

-最後の試合で素晴らしいバックホームを見せた

なあ、すごいなあ。ホンマに野球の神様が起こしてくれたというか。あんなバックホーム、なかなかできへんと思うけど。すごいなあ…。うん。最後もセンターフライ飛ばへんかなと思ったけど、それは欲張りすぎかなと思うけど。あの場面であそこに飛んでアウトにして逆転して…。うん、すごいね、すごかったね。

-花束を渡すときには何と声を掛けた

ありきたりのことしか言えてないけどね。逆にアイツから勉強させてもらうことが多かったし。そういう言葉を言ったと思う。なかなかこういう選手はいないんでね。アイツの野球に対する姿勢と、真っすぐな気持ちは選手もファンもスタッフも1つになる。

-昨季は2軍監督として、脳腫瘍から復帰を目指す横田と身近に接してきた

まあ…。いざ、自分にと置き換えたとき、ここまでできるかと。それは…、大変やったと思うし…。それは…。毎日、見てきた…。(しばらく沈黙)まあ、でも、最後のあいさつもね、すごくヨコらしい真っすぐな気持ちを伝えるのが、すごく出ていたと思う。俺も横田を応援するけど、今日また力をもらえたんでね。それが、まあ、何て言うかなあ。恩返しじゃないけど、横田にしっかり見てもらって、俺らも頑張っている姿を見せていく日にもなったと思う。素晴らしい1日にしてもらいました。

-引退する選手はいるが、こういう形もない

数字はアイツ、残されへんかったけど、そういう、何て言うかな。アイツ以上の真っすぐな気持ちでプレーした選手はなかなか見当たらない。そういうものがみんな、チームメートでもあり、ライバルでもあるんだけど、何とか選手自身も応援したい気持ちになっていたと思う。もちろん俺らはその姿を見ていた。いつも横田の話になったらそれになるけど。去年だっていつも横田がベンチで声を出してて「今日おらへんな」「あれ横田の声が聞こえないな」と思ったら「今日、病院行ってます」とか。出られないのに声を出すとかさ、出られへんのにっていうか、あいつのなかでは出ると思って練習していたと思うけど。なかなか前に進まない気持ちのなかで、それを貫くのは簡単なことじゃない。それは首脳陣もそうやし、選手もそうやし。見ているからこそ応援したくなる部分はあると思う。こういう形を作ったのはアイツ自身の日々の積み重ねの姿勢とか気持ちが、みんなを動かしたと思う。阪神のなかでもかけがえのない選手になったと思う。それがこの形になったんじゃないかなと思います。

-人生は次のステージだ。どういうエールを送る

いまの気持ちでやったら横田は何でもできると思うし、いまのままの気持ちで横田らしくね。いろいろな壁にぶつかったり、これからもしんどいことや悔しいことや、いろいろな道があると思うけどね。アイツがどんなにぶつかろうが前に突き進むということが横田のいいところ。そうやって進んでいってくれると思う。ここで培ったものは何も終わらない。それがアイツ一番大きな財産になると思うので、これからの横田を楽しみにしています。