東洋大が延長タイブレークの末、きわどく駒大の反撃をしのいで先勝した。

延長10回表、東洋大は2死満塁から佐藤都志也捕手(4年=聖光学院)が、駒大の4番手・上野翔太郎投手(4年=中京大中京)から押し出し四球を選び3点目を奪った。

一方の駒大はその裏、1死満塁から若林楽人外野手(3年=駒大苫小牧)の打球は二塁への高いバウンド。この時、代打で出塁していた一塁走者の東凜太朗(4年=平塚学園)が、東洋大二塁手の小林直輝(3年=八戸学院光星)と接触。このため、東は守備妨害でアウト。それぞれ進塁していた走者は元に戻され、得点は認められず2死満塁から再開され、先発・村上頌樹投手(3年=智弁学園)がそのまま抑えて東洋大が勝利した。

試合後に中野良昭二塁塁審(28)は「打球を捕りに行った二塁手に走者が接触したのが見えましたので、そこでタイムをかけ、私の方から球審に説明して一塁走者の守備妨害とし、進塁は認めず2死満塁からの再開としました。打球の性質(ヒット性)かどうかは関係なく、守備をしようとしたかどうかが重要です。走者は守備側が守ろうとした時は、止まってでも、大回りしてでも守備を妨げてはいけません」と、理路整然と説明した。

非常に珍しい場面となったが、試合は数分の中断で再開。駒大はいったんは二塁走者も生還し、打者若林のサヨナラ打と勘違いした駒大ベンチから選手がグラウンドになだれ込んだものの、高橋久生球審(58)の説明により、両大学の監督も納得して試合再開となり、大きな混乱はなかった。