最高の先制点を挙げた巨人が、ソフトバンク千賀から追加点を奪えず、黒星スタートを喫した。2回1死の阿部のソロ以降、7回2死まで無安打。3回は2四球と暴投で2死一、三塁とチャンスをつくったが、岡本が156キロの内角球に詰まらされ、ボテボテの遊ゴロに倒れた。7回2死二、三塁では代打重信がカットボールで見逃し三振。パ・リーグを代表する右腕に屈した原監督は「結果的には大差になりましたけど、明日からまた仕切り直しですね」と冷静に言った。

先発山口は先制した直後の2回に逆転2ランを許すなど6回3失点。指揮官は「あの2球がね。多少本来のボールではなかった。ツーベースとホームランがね」と指摘。7回はマシソン、田口で流れを止め切れず、重い4点を失った。

これでセ・リーグ球団は、ヤフオクドームでの日本シリーズ13連敗となった。7回は内川の犠打、偽装スクイズなども絡められて失点を重ねた。相手の戦略、戦い方については「まだね」と観察を続けながら「フォアボール絡みになるとビッグイニングになるケースがあるね」と、自軍投手陣の修正を課題に挙げた。

7年ぶりの日本一へ向け、白星スタートとはならなかったが悲壮感はない。日本シリーズ開幕前から「もし結果が1勝1敗であるならば」と仮定した上で「2戦目を取りたい」と短期決戦のポイントに挙げていた。勢いを取り戻して本拠地に戻るためにも第2戦がより重要になる。「誰だって日本シリーズの第1戦は少々硬くなりますよ。今日のゲームはもう帰ってこない。糧として、我々はつなげるというところですね」と次の戦いに目を向けた。【前田祐輔】

▽巨人丸(千賀に2打数無安打)「今日は直球より、左打者へのカットボールが多めだった。全体的に要所でしっかり投げられた」

▽巨人田口(7回1死三塁から登板し3安打3失点)「切り替えてやっていくしかないです」