明大が立大戦で勝ち点を落とし、5位が確定した。試合後に善波達也監督(57)が今季限りでの退任を発表。「新しい空気でいい明治野球部になっていければいいということです」と退任理由に触れた。広島のドラフト1位森下暢仁投手(4年=大分商)は9回に登板し、大学生活最後のマウンドを無失点で終えた。立大は勝ち点3とし、第7週終了時点で3位となった。

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2年前から退任の時期を模索していた明大・善波監督は、最終戦で敗れると、報道陣の前で自らの口で退任を発表した。「私ごとですが、今季をもちまして監督を退任することになりました」。コーチで4年、監督で12年の指導歴に区切りをつけることで、新体制の下で明大野球部が再出発する道を選んだ。

御大・島岡吉郎氏の教えを胸に、「猪突猛進」イノシシワッペンを復活させ、春季リーグでは5季ぶりのV。6月の全日本大学野球選手権では38年ぶりの優勝を果たし、監督時代に唯一達成できていなかった悲願のタイトルを獲得した。今後は会社運営に専念する意向で、側面から大学野球を支える。

28日の朝に森下ら選手に退任の意志を伝え、立大戦での勝ち点獲得を目指したが、最終戦は得点が奪えず敗戦。「選手も私が最後のシーズンということを感じていたようです。そういう気持ちで春に勝たせてくれたと思います」と感極まり、名将の声も震えた。人格者として多くの教え子から慕われた善波監督は、最終戦とともにスパッと後進に道を譲った。