新任の巨人石井琢朗1軍野手総合コーチが、走塁改革に着手する。

川崎市のジャイアンツ球場で行われた秋季練習2日目。開始前のミーティングで走塁の重要性や意識を説いた。「1つ先は当たり前。2つ、3つ先の塁を狙う走塁を」と掲げ、例に挙げたのは「中継や外野がファンブルした時に一塁からワンヒットで帰れるか」。この走塁と言えば、87年の巨人-西武の日本シリーズで西武辻が中堅クロマティのスキをついた“伝説の走塁”だった。

走塁における共通の“標語”も作った。「教習所でも言われるけど、だろう運転はやめようと。かもしれない運転で」。「だろう」と決め付ければ、相手がミスした時に対応が遅れるが、「かもしれない」の意識を持てば、ギリギリの判断の中で好走塁も生まれる。「打つ方は投手が変化球を投げたり、受け身だけど、走塁は意図的にできる。動くことでヒットゾーンが広がる可能性もあるし、打つ方にも相乗効果が生まれる」と話した。【久保賢吾】