巨人ドラフト5位指名の星稜・山瀬慎之助捕手(18)が11日、石川・金沢市内で入団交渉を行い、契約金3500万円、年俸540万円で仮契約した。背番号は「67」。小学校時代からバッテリーを組んだヤクルトのドラフト1位、奥川恭伸投手(同)と競い合って磨いた肩で、球界を代表する捕手になる。

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11月11日、1が並ぶ縁起のいい日に、山瀬は球界一の捕手になることを誓った。遠投120メートル、二塁への送球タイム1秒8台と肩の強さは一級品。「盗塁阻止力では誰にも負けたくない。そこは12球団で1番になりたい」と目を輝かせた。

肩を磨き続けた隣には常に奥川がいた。小学校、中学、高校と一緒に練習をしてきた。「負けたくなかった。だからこそ頑張れて今のスタイルがある」。小学時代は1年1回、中学時代は週に1回のペースで球速を競い合った。勝ったり負けたりと常に接戦。相棒に勝とうと必死になった。最後に測ったのは中2の秋。軟球で137キロの奥川に対し、138キロと上回った。真剣勝負の日々。「奥川もそれで速くなったと思います」。培ってきた武器でプロの道を切り開いていく。そのために、今は体作りの真っ最中だ。朝の6時半からトレーニングを行い、放課後も汗を流す。巨人の扇の要を長く守り抜くために努力を続ける。

プロ入りを機に入団するチームは異なるが、どちらも東京に本拠地を置く球団。切磋琢磨(せっさたくま)を続けていく。「常に意識する相手。最初は向こうがすぐに1軍に行くだろうけど、追いつけ追い越せの気持ちでやっていきたい」と闘志を燃やす。目標を達成した先にあるのは侍ジャパンの称号。日本代表として、再びバッテリーを組む日を夢見て、プロ生活の1歩を踏み出す。【湯本勝大】