阪神矢野燿大監督(50)が28日、前日契約合意した新外国人ジャスティン・ボア内野手(31=エンゼルスFA)の「4番一塁」構想を明かした。

メジャー92本塁打の新大砲の父は、ブッシュ、クリントンら歴代大統領の護衛を務めた世界最強のシークレットサービスであることが判明。193センチ、122キロ、親譲りの屈強なスラッガーに、15年ぶりV奪回けん引の期待が高まる。

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パワー自慢の新スラッガーが、右に左にアーチをかける姿が浮かぶ。神戸市内で「2019年度タイガース杯ゴルフ」に参加した指揮官が、メジャー92発の新大砲について大きな期待を明かした。「みんなが言ってる通り。ブラゼルとかバースとか。パワーもあるし、柔らかさという部分もあるかなと思っている」。日本野球にもフィットしてくれそうな柔と剛を併せ持つ長距離砲。来季の命運を握ると言っていい存在だけに、言葉に力がこもった。

構想はもちろん4番一塁だ。「そのために取ってるんだから。7番を取っているわけじゃない」とキッパリ。「こっちもそういう評価で来てもらっている。ホームランも勝負強さも出してもらえれば。それが4番だと思う」。20年猛虎打線の中心に4番ボアがどっしり座る姿をイメージした。

193センチ、122キロの大男。その屈強な肉体は、実は父親譲りだった。MLB公式サイトによると、ボアの父ジム氏はシークレットサービスエージェントとして働き、ブッシュ大統領やクリントン大統領の護衛も務めた人物。シークレットサービスは日本でいうSPにあたり、厳しい訓練を受けた屈強な男たちの集団だ。勇敢に国際舞台の最前線に立ち、中でも米国は体を張って要人を守ってきた世界最強のボディーガードとされる。阪神の歴代助っ人の家族でも異例の系譜だ。

前日、谷本球団副社長はこう話していた。「軽く打って反対側に(本塁打を)打てるのはブラゼルとか、古くはバースとかに似ていますよね。ちょんで入りますからね。たぶん、日本に来たら驚くんじゃないですかね」。そのパワーこそ、DNAを受け継いだ屈強助っ人の証しだ。

実は獲得候補の大砲は他にもいた。左打者が並ぶ今季の打順構成を考えると、右のスラッガーが最優先のはず。だが、矢野監督は「ボアの方が左(打者)でも上やろうと。うちのチームが必要とするパワーも若さも兼ね備えている」とボア取りにかじを切った舞台裏を明かした。チーム538得点はリーグワーストで、94本塁打は同5位。屈強助っ人のバットに、得点力アップ&15年ぶりVけん引の期待が高まる。【桝井聡】