福島・浪江町出身で元楽天の横山貴明投手(28)が、プロ継続の夢をつなぐ投球を披露した。

メジャー球団スカウトらも視察する前で3回裏から2イニングを投げ、1安打1四死球2失点(自責0)。自己最速151キロには及ばなかったが、右横手から全選手中最速の146キロの直球に加え、キレのあるスライダーも健在だった。

4回には見逃し三振、投ゴロ、空振り三振に封じ「良い話がなければ野球人生最後の登板かもしれない。内容は悪かったが、大学(早大)時代に投げていた神宮だったので気持ち良かった」と納得の表情を見せた。

18年オフに楽天を自由契約となり、NPB復帰に向けてメキシコリーグに所属した。今季途中からBCリーグ福島に選手兼コーチとして入団。13試合登板で6勝を挙げた。今オフも2年連続でNPB合同トライアウトに挑んだが、現在も契約には至っていない。

だが、すでに米国マイナーを含む、海外数球団からオファーが届いている。練習会場を提供してくれるBC福島に感謝しつつ、決意は固まっている。「プロにこだわっているし、年内までに良い話がまとまらなければ、潔く辞めるべき」。退路を断ち、現役引退の道も覚悟。「求めてくれるチームがあれば、どこの国でも」と新天地で飛躍をつかみ取る。【鎌田直秀】