まさに泰然自若。西武中村剛也内野手(36)が2日、埼玉・所沢の球団事務所で契約を更改し、今季年俸2億5970万円から9030万円増の3億5000万円でサインした。今季途中から4番に座り、リーグ連覇に貢献。大幅な年俸V字回復にもほとんど表情を変えることなく、淡々と3連覇を誓った。(金額は推定)

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ユニホームでもスーツでも、中村はいつもの中村だった。短い契約交渉を終えて会見場に入ると「(球団から)よく頑張ってくれたと言っていただきました。打点王のタイトルもとれたし、リーグ優勝もできたので、それなりにチームに貢献できたのかなと思います」と振り返った。大幅な年俸アップに「ちょっとお金が増えたかな」といたずらっぽい笑みを浮かべたが、目先の結果や立場に一喜一憂することはない。

8月11日ロッテ戦から4番に入り、持ち前の勝負強さで山賊打線をけん引。4年ぶりに打点王を獲得する活躍でリーグ連覇の原動力となった。そんな「4番」へのこだわりを問われても「ないです。こだわりはもう、とっくに捨てています。言われたところでしっかり結果を残すだけ」と自然体を強調。今季30本を放った本塁打への意識も「今年に関しては、こだわりが少し薄れた部分はある。来年? なってみないと分からない」と淡々。最後はカメラマンからのリクエストに少し考えた末、色紙にシンプルに平仮名で「がんばります」としたためた。

19年目となる来季に向けて「チームとしては3連覇を目指してやりたいなと。個人的に? 1年間しっかり戦力になりたいと思います」と肩肘張らずに語った中村。高額年俸にも気負うことなく、悠然と結果を残していく。【鈴木正章】

▽西武渡辺GM(中村の高額査定に)「今年1年、素晴らしかったなと思います。夏以降、4番の仕事をしてくれたなという感じ」