超大台を突破した!ヤクルト山田哲人内野手(27)が24日、都内の球団事務所で4億3000万円から7000万円アップとなる年俸5億円で契約更改した。順調にいけば来季国内FA権を取得見込みで球団からは複数年契約を提示されたが、単年での契約を選択した。日本球界の内野手では史上最高額タイ。28歳シーズンでの5億円到達は最年少となった。チームの優勝、4度目のトリプルスリー達成、そして東京五輪出場と20年を山田哲の年にする。

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再来年シーズンの年俸は、一体どうなってしまうのか!? サンタもびっくりの数字が並ぶかもしれない。山田哲は日本球界内野手として最年少で史上最高額タイの5億円でサインした。順調にいけば、選手として勢いのある28歳シーズンの来年、国内FA権を取得する見込み。「一番の目標は、優勝すること。個人的にはトリプルスリーを達成をしたい。今まで以上の打率、盗塁、本塁打の成績を残したい」とキャリアハイを目指す。

トリプルスリーを球界唯一3度達成している男が、目標を有言実行した場合には、とんでもないことになる。契約更改交渉後に衣笠球団社長は「本人の頭の中は、まず来季、キャリアハイの結果を出すことでいっぱいのよう。もしそうなったら、年俸は大変なことになるけど」と笑顔で予言。球団としては活躍はうれしくとも、悲鳴をあげることになりそうだ。

一方で気がかりなのは、国内FA権の行使があるのか。球団側からの複数年契約提示を選択せず、今季までと同様に単年での勝負を選んだ。「FA権を取得するまで、単年でいくと自分の中では決めていたこと」と全く迷いがなかった。「FA宣言するかもしれないし、しないかもしれない。決めてはいない」と前置きした上で「取得することで、選択肢は増える」と権利行使にも含みを持たせた。査定担当の斎藤チーム運営部参事は「(FA権を取得し)来るべき時期がくれば話をする」と全力で慰留する意向も、引き留め資金がいくら必要になるのかは想像もつかない。

もう1つの気掛かりはポスティングを利用しての米メジャー挑戦があるのか。会見では「想像にお任せします」と“山田節”でけむに巻いたが、衣笠球団社長は「ポスティングの話はしていない。まだ考えていないと言っていた」と明かした。

10年ドラフトの“外れ外れ1位”で入団した際には、夢にも思わなかった年俸5億円での国内FA権取得。山田哲は「プロ野球選手になったとき、こういう形になるとは想像していなかった」と少し笑った。20年はプロ10年目の節目。スーパースターの物語は、まだこれからだ。【保坂恭子】

○…主砲バレンティンが退団し、来季の山田哲には主軸としてのさらなる期待がかかる。「(相手の)マークはきつくなると思うけど、かといって自分のスイングができればはねのける自信はある。気にせずにいきたい」と意気込んだ。さらに東京五輪出場も、大きな目標の1つ。11月のプレミア12では決勝韓国戦で逆転3ランを放ち、アピールに成功。「まずは選ばれることが一番。どんな場面でも、ベンチでも、レギュラーでも、任されたところで仕事をしたい」と語った。