今秋ドラフト候補たちも動き始めた。5日、日本各地で大学野球部が始動。神奈川大学野球リーグの横浜商大は、昨秋に開花した最速144キロ左腕・藤村哲之投手(3年=愛工大名電)に注目だ。

  ◇    ◇    ◇

好左腕の系譜に続く。日本ハム根本、阪神岩貞、楽天西宮、渡辺佑、オリックス左沢ら横浜商大出身のプロ野球選手は左腕が多い。藤村は「自分も続きたい」。同大を志願したのも、プロや社会人に進む左腕が多いと知ったから。井樋監督は「左腕同士が切磋琢磨(せっさたくま)し、高校生も来てくれる。好循環になっている」と分析する。

もっとも、藤村は3年春までリーグ戦未勝利。転機はケガだ。同シーズン開幕後、左前腕に軽い肉離れを発症。離脱中は走り込みに加え、柔軟性の向上に取り組んだ。最速が2キロ上がり、昨秋は初勝利を含む3勝。防御率1・82でリーグベストナインに選ばれ、大学日本代表候補入り。スカウトからも注目され始めている。「この冬が一番大事。成長しないと、プロは簡単には行けない」と常時140キロ超えを目標に、鍛錬の日々を過ごしている。