シーズンオフ企画で阪神ナインの原点、足跡をたどる「猛虎のルーツ」。第6回は、遊撃のレギュラー定着を狙う阪神北條史也内野手(25)です。

青森・光星学院(現八戸学院光星)時代は同級生の現ロッテ田村らと3季連続甲子園準Vを果たし、プロの扉を開いた。当時の金沢成奉総監督と仲井宗基監督が、両極端のライバル田村との秘話や知られざるエピソードを明かした。

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努力を惜しまない北條は真面目さに加え、芯の強さも兼ね備える。ひた向きに取り組んだ練習でも、指導者に言われたことを単にこなしていたわけではない。時にはコーチに怒られ「帰れ!」と言われ、反抗して寮へ帰ったこともあったという。仲井監督は「自分で納得しないとダメなんですよ」と笑い、金沢氏も「真面目だけで弱い子というのではない。自分の芯を持った子。だから最終的にはブレないんです」と振り返った。

金沢氏は今季で中堅クラスの8年目を迎える北條へ「なぜ今、自分がここにあるのかをもう1度しっかり把握した上で。持ち前の芯の強さをプロの場合は表に出してなんぼ。ぜひ表に出してもらいたい」とエールを送った。そして「教え子同士がショートを互いに守る姿を数多く見たい」とも。巨人坂本、阪神北條のことで、仲井監督も「巨人、阪神戦は最高。何回見ても、やっぱりしびれますよ」。恩師2人、指導者冥利(みょうり)に尽きる伝統の一戦を楽しみにしている。【奥田隼人】