これぞ野獣化計画だ。日本ハム杉谷拳士内野手(28)が19日、千葉・鎌ケ谷での自主トレ後、オーストラリアトレで身につけた「5大秘技」を報道陣へ明かした。

プロ12年目を迎えたガッツあふれる男が、さらに荒々しさを増し、内野のレギュラーを勝ち取る。

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練習を終え記者に囲まれた杉谷は、昨年末から今月中旬まで行ったオーストラリア自主トレの成果について、満足そうに語り始めた。「手応えありましたよ。杉谷拳士オーストラリアで磨いた5大秘技。気になるでしょ? 1面じゃなかったら説明しませんよ」。呆気にとられる報道陣を見渡し、ニヤリ。「完全にみんなやられてる。思惑通りですよ」。杉谷節は止まらなかった。

約束通り1面に掲載するので、秘技を説明してもらおう。今季のレギュラー取りへとつながる、5つの武器だ。

<1>コアラワーク 「コアラのように温かい目でチームメートを見守る」。もし好機で凡退し、うつむいてベンチへ引き揚げてくる後輩がいたら、優しく声をかける。信頼度アップだ。

<2>カンガルーパンチ 「カンガルーのようにインパクトで強くボールをパンチしたい」。打球にしっかり力が伝われば、打撃力強化につながる。狙うは2年連続の1試合両打席本塁打だ。

<3>ワラビーダッシュ 「ワラビーのように速く、力感なく走る」。ワラビーは後ろ足が発達し、跳躍力に優れている。素早い動きで、5盗塁に終わった昨季を超える。

<4>クロコダイルゲッツー 「ワニのように低い体勢で、ボールを捕まえにいきスローイング。獲物を捕らえるようにボールを捕る」。低い捕球姿勢は内野手の基本だ。

<5>シャークスライディング 「サメのように狙った場所に一目散に鋭く強く速く滑り込む」。狙った獲物は逃さない。貪欲に次の塁へ牙をむく。

現地では朝5時に起床、6時半からウエートトレで体をいじめた後に技術練習でも追い込んだ。「体が疲れた状態で練習がしたかった。今年のテーマでもあったので。(体が)引き締まったという感じですね」。国内で再始動のこの日はランニングなど軽めのメニューを消化。「まだ全然未完成ですよ。そんなすぐに完成するもんじゃない。ここからでしょ」。進化を遂げたNEW杉谷がグラウンドで暴れる。【山崎純一】