鉄人ロードまっしぐらだ! 阪神ドラフト4位の遠藤成内野手(18=東海大相模)が、鳴尾浜の新人合同自主トレで行われた恒例の3000メートル走でぶっちぎりの1位を獲得。同1位の西純矢投手(18=創志学園)らを周回遅れにする軽快な走りで、驚異のスタミナをアピールした。

「最初は緊張したけど、走ってからは気持ちよく走ることができました」。別メニューの同2位井上広大外野手(18=履正社)を除く新人7人が参加。グラウンドのフェンス沿いに設けられた1周300メートルのコースを10周した。スタート直後は中団の前めで様子を見て、2周目に突入する手前から先頭に立った。そこからは後続との差をどんどん広げ、独壇場。選手間の前評判では同3位の及川雅貴投手(18=横浜)が有力候補に挙がっていたため「後半は及川が来ると思い、突き放そうと思った」。8周目からスパートをかけ、29秒差を付けた2位及川以外の5人を周回遅れにして「もうちょっといけた」と余裕のゴール。11分16秒は近年でも上位に食い込む好記録となった。

ドラフト指名後から金本前監督や鳥谷の名前を挙げ、球団の歴代鉄人たちの背中を追いかけたいと目標にしている。「(シーズン)143試合、体もきつくなったり、体力もとても必要になってくると思う。そういうスタミナは大事にしてやっていきたい」。高校の冬季練習では1日おきに20分間走を続けた。「キャンプもランニングメニューが多い。そういう体力はあると分かったので、しっかりケガなくいけるように」と自慢の脚力を武器とする。

自主トレ初日から「ずっと意識していた」という3000メートル走。報道陣から「1位を取ったら取材を受けると思った?」と問われると「思ってました」とニヤリ。狙い通りのアピール走となった。【奥田隼人】

○…権田トレーナーは遠藤の走りを評価した。2位及川と2人だけ11分前半の好タイムで遠藤は速さと持久力を兼ね備えていた」とうなずいた。春季キャンプのランメニューは「5勤5種目」といった具合に練習日分の種類を用意。どれを選ぶかは選手任せで、矢野監督も重要視する自主性を促す。新人8人は2軍キャンプ(高知・安芸)スタートの見通しで「安芸の方が1割、2割増しで強度を上げたい」と若手のレベルアップに期待した。