昨季最優秀中継ぎの日本ハム宮西尚生投手(34)が28日、沖縄・名護の先乗り自主トレで、異例の打撃投手を務め実戦感覚を磨いた。

大田、鶴岡を相手に約60球。大田には場外へ飛ばされたが「実際に打者が振ってくる感覚を養いたかった。心配ないなと思った」と、順調な仕上がりに納得顔だった。

昨季途中から痛みを抱えていた左肘だが、そこは百戦錬磨の鉄腕だ。シーズン終了後からはブルペン入りせず体のケアを優先し、2月1日のキャンプインを目前にして、打撃投手を買って出た。通常は打者が打ちやすいよう、真ん中に投げるのが打撃投手の定説だが、あえて内外角へ投げ分け状態を確認。「打者は打ちづらかったと思うけど」と苦笑いも、より実戦的な練習に「お互いにとって良かったんじゃない」と、うなずいた。

春季キャンプは、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場を控えた17年以来の2軍スタートとなる。担当トレーナーが1軍に同行するため「キャンプに入る前に、1度、肘を張った状態にして、治療をしてもらいたかった」と、この時期に打撃投手を行った意味を説明した。自己管理は万全。首脳陣の期待通り、13年目のシーズンへ着々と準備を整えている。

「実戦感覚は、今日で半分以上は戻った」。実戦初登板は、23日ヤクルトとのオープン戦(名護)を予定している。入団以来、50試合登板を継続する左腕には、今季も死角はない。【中島宙恵】