会見の終盤、登場曲への愛情を語り終えた巨人の注目助っ人がスマートフォンを取り出してマイクに近づけた。

昨季ワールドシリーズを制したヘラルド・パーラ外野手(32=ナショナルズ)が登場曲「ベイビー・シャーク」を徐々にボリュームアップ。即興BGMをバックに「ハッピーですか?」と呼び掛けると、隣の原監督も手を上下に小刻みにたたく「シャーク・ダンス」で呼応。「グラウンドで暴れてほしいね」と笑顔で突っ込みを入れた。

大リーグ通算88本塁打、2度ゴールドグラブ賞を獲得したバリバリの元メジャーリーガー。「日本に来ることは簡単な決断ではなかった」と32歳で新天地に踏み出した。セールスポイントは「守備」と即答。「ホームランバッターではない。ボールにしっかりコンタクトすることが長所。感情を出すプレーヤーと自覚している」と言った。原監督は「5番右翼」として期待する。「私の希望はクリーンアップ。岡本の後ろをしっかり守って、ともに相手を打ちのめす形を望んでます」と3番丸、4番岡本、5番パーラと左右ジグザグの中軸を理想に掲げた。

世界一に輝いたナショナルズの本拠地、米国ワシントンで大流行した「シャーク・ダンス」が代名詞。もちろん東京ドームでも継続する。「子供の笑顔を見たり、子供がハッピーであることが自分にとって大きい。踊ったり笑ったりする空気が、最終的にワールドシリーズに導いてくれた。バッターボックスに入る時に、私も踊れるものなら踊りたい」と感情を前面に出すスタイルを貫く。会見後の写真撮影では球団が制作中の「シャーク・グッズ」を“フライング”使用。サンチェス、ビエイラに原監督も巻き込み、陽気に再ダンスを決めた。【前田祐輔】