城島劇場の幕が開いた-。15年ぶりに球団復帰したソフトバンクの城島健司球団会長付特別アドバイザー(43)が1日、宮崎・春季キャンプ初日にいきなり話題をさらった。デニム姿がさっそうとキャンプ地に登場したが、王貞治球団会長がダメ出し。練習前の円陣では工藤監督イジリも披露。常勝軍団形成へ、「城島節」がホークスに帰ってきた。

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城島アドバイザーのキャンプは、まさかの「ダメ出し」で始まった。就任会見と同様に、デニム姿でさっそうと登場。しかしグラウンドには、ジャージー姿に変わっていた。実は王球団会長から服装を「ダメだ」と注意を受けていた。「43歳、初日に怒られました。43歳でなかなか怒られることないでしょ?」と苦笑交じりに内幕を明かした。

叱られても、めげないのが持ち味だ。練習前の円陣では、「城島節」が早くも飛び出した。「昔ホークスで野球をやっていました。専門分野は魚釣りとマージャンです。聞きたいことがあったら、なんでも聞いてください」。さらに現役時代にバッテリーを組んでいた工藤監督をイジった。「若い時は工藤さんに、メチャメチャ、いじめられてました」とニヤリ。正捕手の甲斐に視線を送り、「気持ちはわかります」とジョークで盛り上げた。「会長に怒られたので、その流れが工藤さんに向きました」としてやったりの表情。監督イジリでナインの心をつかんだ。

アドバイザーの立場としては、まずは見ることに徹した。ベンチの脇、目立たない場所からフリー打撃を見つめた。「魅力ある選手がいっぱい。冗談抜きで2、3チーム作れるくらい。選手たちはこの中でレギュラーを取らないといけないから大変でしょう。手を抜いたプレーができないから、パフォーマンスも上がっていく。いい伝統、強いチームのいい循環があるなと感じました」。05年を最後にホークスを離れたが、王会長が築いた伝統を再び感じ取った。

特打が始まると、打撃ケージの裏に足を運び、工藤監督と並んで練習を見た。「みなさんが写真を撮りたいかなと思って。会長が『行け』と言ってくれたんですよ。サービスですよ。話した内容は特にありません」と冗談めかした。「自分からは行きません。聞かれれば答えます」というスタイルを掲げているが、新人のドラフト5位柳町には「飛ばしすぎるな」とさりげなく助言するなど、心遣いも見せた。

帰り際には自らファンの前に足を運び、「声をかけていただいて、野球人としてありがたい」とサインに応じた。工藤監督も「変わらないというか、アイツらしいよね」とほほ笑む。次々と飛び出す「城島節」が、リーグV奪回&4年連続日本一のエキスになる。【山本大地】